資本主義の歴史 ①前期的資本による経済と資本主義の違い

経済

ちょっと前に、「経済の歴史について教えて」といわれていたんだけど、貨幣(お金)の歴史みたいなのはよくあるので、うめ吉は「資本主義」について、どうやって成り立っていき、これからどうなっていくかを(いっぺんに書くと長くなるので)シリーズもので書いていこうと思います!

なるべく難しくならないようにするので、読んでねー。

資本主義になる前から「元手」はあった

まず、資本主義っていうのは、生産手段を個人が所有することを前提とした経済体制で、生産手段を持つ資本家が生産手段を持たない労働者を雇い、市場による自由な競争を前提としているんだ。

資本主義の「資本」という言葉は、事業の元手になるお金のことだという人が多いと思うけど、事業をやっている人や会計を学んだ人は、会社の資産総額から負債総額を差し引いた純資産のことを思い浮かべるかな。

経済学でいう「資本」は現金預金や株式などもそうなんだけど、そのほかにも工場や機械なんかの固定資本や、原材料や出荷前の製品なんかもすべて「資本」に含まれるんだ。要は、生産して付加価値を生み出していくために必要なもののことなんだよ。

資本自体は資本主義が生まれるずっと前から「元手」という形であって、それをもとに農業を営んだり職人が作ったものを、商売するということも昔からされていたんだけど、それだけでは「資本主義」とは言えず、あくまで物々交換から少し発達した前期的資本による「賤民資本主義」(いやしい資本主義)と言われているんだ。簡単に言えば「金儲け」自体があまりよくないものと思われていたんだなあ。

まあ今でもそう思っている人いると思うけど、それはとってもチンパン的な人だね。

近代資本主義では正当な金儲けは肯定される

前期的資本の世の中では、商品とお金が流通すれば経済が成り立ち、そこに良いやり方と悪いやり方というものは存在しなかった。なぜなら、どんな方法だろうとお金儲け自体がうしろめたいものだったから、そこに詐欺があろうが暴力があろうがあまり関係がなかったし、お金を儲けるという目的しか無かったんだ。

近代的な資本主義は今でこそ当たり前のものかもしれないけど、実は人類の偶然の発明とも呼べるもので、わりと特殊な条件のもとに生まれたんだよ。

その条件のひとつは、「複式簿記」の発明だ。複式簿記は借方・貸方という取引の二つの側面を記録する会計の方法で、借方には「手に入れたもの」、貸方には「手を離れたもの」を記録するんだ。簿記を習ったことのある人はわかると思うけど、取引の結果としてどう状態が変わったのかが一目でわかるようになるから、これをもとに、一定期間の取引をとりまとめて財務諸表(貸借対応表:B/Sや損益計算書:P/L)を作って合理的なお金儲けを追求することができるようになったんだ

もうひとつの条件は、「資本主義の精神」が発生し、正当なお金儲けが肯定されることなどが必要になるんだけど、これを発見したのがドイツの社会学者マックス・ウェーバーなんだな。

資本主義の精神とはなにか

マックス・ウェーバーは1904年に
『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を発表し、その中でプロテスタントの世俗内禁欲が「資本主義の精神」を生み出したとしています。なんだかよくわからないと思いますが、詳しいことはわからなくても大丈夫です

大事なことは、キリスト教のカトリック教会から分かれたプロテスタント教派は、金儲け自体が目的ではなく、社会で必要とされるものを正当な価格で売った結果としてもらうお金は良いお金で、一生けんめい働いて社会に貢献した人が結果としてお金持ちになるのは良いことであり、そのためには人間が作った伝統やしきたりよりも合理的に行動することが重要だという精神なんです。

簡単に言うと、みんなの役に立ついい仕事をしてお金をモリモリ稼ぐのは、悪いお金儲けじゃないんだからどんどんやりなさいってこと。

これが「資本主義の精神」なんだねー。

資本主義とは、社会に役立つ経済発展

資本主義の成立以前にも、技術や進歩や商業の発達で巨大な資本が動く経済というのはいくつもあったけれど、それだけでは資本主義は生まれなかったんだ。例えば中国では歴史上、何度も巨大な商圏ができたが、そこでは封建制からの転換も含めた、生産手段を持つ資本家と生産手段を持たない労働者による資本主義には発展しなかった。

似たような例はヨーロッパなどにも見られたが、そこで資本主義は生まれず、資本主義の誕生は18世紀になってからの産業革命と市民革命(ブルジョワ革命)からでした。

マックス・ウェーバーはそこから世界中の歴史上にあった巨大資本経済と資本主義が生まれた背景とを見比べることで、「資本主義の精神」を見つけたわけです。

そして現在は、金融経済とコンピューターやインターネットなどの情報技術の発達もあり、「誰でも生産手段を持つ資本家になれる」社会になろうとしていますよね!

いままでの経済の歴史的な背景を学ぶことで、今まさに起こっている時代の変革から、次にどういう社会がやってくるのかを推測するのも面白いですよ!

逆に、正当な手段によらず、「どんな手段を使ってもお金儲けをする」という人は前期的資本時代のチンパンジーみたいなものでしょう。

そんな人たちに騙されることなく、資本主義やその先にある「価値主義」の世界で生きていくために、経済学や歴史から多くを学ぶことは、決して無駄ではないと思います。

うめ吉でした!

コメント

  1. […] 前回は、『前期的資本による経済と資本主義の違い』というところから資本主義を紐解いていきましたが、今回はヨーロッパで資本主義が生まれる一歩手前の重商主義に焦点を置いて、資本主義の歴史について学んでいきましょうか! […]